ケインズ学会の理念・基本方針などについて [ケインズ学会ホームページ]

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                「ケインズ学会」の基本理念

第1条  当学会は、現在の経済社会の理解・分析・発展に貢献すべく、「ケインズ・スピリット」に則り、議論を通じ真実の追究をめざす。


第2条 当学会は、経済理論・経済政策・社会哲学・歴史・文化などの幅広い分野からの研究の促進を目指す。したがって経済学者、歴史学者、文化論者、哲学者、美術評論家、ジャーナリストなどの参加を歓迎する。


第3条 当学会は、専門的な追究を行うとともに、隣接する領域からの刺激を授受しあうことで、学際的・総合的スタンスの場を提供することを尊重する。


第4条 当学会は、現在・将来・過去のいずれにも関心を向ける。

第5条 当学会は当初から国際的活動を視野に入れて活動していく。

補足説明

第1条について:「ケインズ・スピリット」とあるが、これは「自由」や「正義」という概念がそうであるように、研究者によってその意味するところは異なるし、また異なるものであってよい。各人が抱く「ケインズ・スピリット」で当学会に参加してもらいたいという趣意が込められている。

第2条について:当学会は幅広い分野を包摂することを望んでいる。経済学、経済政策が重要なのはいうまでもないが、当学会はそれにとどまろうとするものではない。ケインズ自身、非常に幅広い分野を探究した人物である。

第3条について:当学会はアカデミックな特性を有するのは当然であるが、そこだけにとどまろうとするものではない。必要に応じて、例えば、「ブルームズベリー」、「哲学」、「美術評論」、「政治学」などの専門家グループとの共同コンファランスを開いたり、メディアやジャーナリズムとのコラボレーションも図っていきたいと考えている。それらはケインズが大いに活躍した分野である。

第4条について:経済をとらえるには、現在にしか関心を向けないのも、過去にしか関心を向けないのも、ともに不十分であるという意味合いが込められている。過去に配慮を払いつつ現在をとらえ、将来に立ち向かうという姿勢が重視されている。そうした姿勢はケインズがとったものである。

第5条について:国内だけに限定した活動では、いきおい視野が狭くなるという認識に基づいている。グローバルな人的交流を通じ、知見を世界に求めるのは必要不可欠のことがらである、という意味合いである。ケインズはそうしたスケールの人間であった。

(当学会で、ケインズにたいし批判的サイドに立った報告をすることには、何の問題もない。当学会はそうした寛容性を有している。)

経済学や社会哲学上でのケインズの圧倒的な影響力にもかかわらず、「ケインズ学会」というのは(ドイツをのぞくと)内外とも存在しない。その1つの大きな理由は、さまざまなケインズ派に分かれて対立する状況が長年にわたって続いてきた点に求められる。上記「設立趣旨」はそうした状況を克服し、幅広い「ケインズ・スピリット」が発揮される知的・物理的空間の創設を願うものである。

 


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